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さみしい

なんか 帰りたくないわ

一緒にいてよ

ずっと一緒にいて

つらいから

ひとりにしないで

何言ってもしょうがないけどさ

あ もう行くの

さよなら

あーさみしい

さみしい

さみしい

さみしいから歩く

昼も来た道をまた歩いてる

どれだけ踏んでも街は怒らない

街は私の足の下と目の前にずっといる

私の影は私のあとをずっとついてくる

私が行く場所に必ず居てくれる

今街といっしょになってる

景色が頭の中にいるから街といっしょと言っても過言ではない

まちがあるからさみしくない

地下道の天井と壁が私を護ってる

さみしい

歩いてる

たばこ買った

遠くの喫煙所まで来たから吸う

煙を吐いて飛ばしてるよ

あいつは帰っちゃったから

さみしいぶんだけこの煙吐いて

気が済んだら捨ててやる

捨てたよ

私は吸殻捨てたから行くよ

また来た道を歩いて歩いて電車に乗って歩いて歩いてうちに帰るよ

ひとりだよ

あ 香水のいいにおい

うちはいい香りするから帰るよ

帰ろう早く帰ろう

さみしいって言ったんだっけ私

どうでもいいよ やることたくさんあるから

片付けしてお花の水いれかえて

薬飲んで寝て朝日といっしょに起きるから

起きたら朝日といっしょだ

さみしくないわ 花もあるし